生活保護ケースワーカー★あきぐっち★ブログ

生活保護のことを、いろいろお伝えしてます

住まいを失ってからの生活保護になる前に、早めに相談に来てください

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生活保護の制度を扱っていて、

「住居を失った後の復活は、ハードルが高い」

ということをしみじみ感じます。

 

なぜなら、

新しい住居の設定には、

保証人が必要だったり、

敷金礼金が必要だったり、

家具が必要だったりするからです。

 

大きなお金が動くので、

生活保護課としても、

かなり慎重になります。

 

利用者が、

アパート暮らしができる人なのか?

金銭管理、健康管理、安全面、対人関係など、

いろいろと点検項目をクリアして、

やっと認められるかどうかです。

 

認められた後も、

いきなりは家具類をいろいろ揃えられないので、

生活保護費を節約しながら、

少しずつ揃えていくことになります。

 

 

新型コロナウィルスの影響で、

減収や失業する方が激増しています。

 

どうか、

ダメージが少ないうちに、

早く生活保護の相談に来てもらいたいと思います。

生活保護バッシングをした過去にしばられて、生活保護申請をためらっていませんか?

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世間における生活保護のイメージはたいへん悪いものです。

肩身の狭い思いをしています。

 

 

でも、

介護の必要な人が、介護サービスを使う。

乳幼児が、保育園を使う。

生活費の補てんが必要な人が、生活保護を使う。

別に、特別なことではありません。

 

 

新型コロナウィルスの影響で、

住宅確保給付金の相談や、

生活困窮自立支援制度の相談がすごく増えています。

 

その相談の中で、

生活保護は受けたくない」

という思いが強い方が珍しくないです。

生活費の補てんが必要だし、

今後の目処がついていないのに、

一時的な給付金で乗り切ろうとされています。

 

あるいは、

生活保護の申請をされた方が、

借金を繰り返して、

経済的なダメージをかなり受けてこともあります。

 

 

 

そのような方は、

もしかしたら、

過去に生活保護バッシングをしたことが

ある方もいらっしゃるかもしれません。

 

生活保護利用者を傷つけようとして投げたブーメランが、

自分に向かってくるのを避けようとしていたのかもしれません。

 

 

生活保護は、どうぞ利用してください。

だって、生活費が足りないんですから。

 

働ける分は働いていただきますけど、

体調が悪かったり、

求人がなかったりしたら、

無理に働けとは言いません。

 

生活保護を受けながら、

できる範囲のことをする

 

それでいいではありませんか。

 

 

 

 

人は、いろいろなところで、

いろいろな制度を利用しています。

 

生活保護も、

ぜひ使ってください。

外出自粛期間の就労支援

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生活保護の制度を利用するためには、

原則に従っていただく必要があります。

 

その原則の一つに、

稼働能力の活用

というものがあります。

 

 

生活保護は、

あらゆるものを活用してもなお、

最低生活基準に届かない部分を補うものですから、

働ける力があれば、

充分に活用していただく必要があります。

 

 

ただし、

一人だけで職探しをして、

誰にも頼らずがんばっても、

いい活用はできるものではありません。

 

収入が途絶えているならば、

まずは生活保護費で安定した生活を整えてもらい、

活力を復活させてから、

職探しをするのが順序です。

 

 

 

自己責任だからと、

生活保護に頼らず、

身も心もボロボロになり、

借金を重ねて、

それでようやく生活保護に至る方を見ると、

「もっと早く、生活保護を利用していただければ・・・」

と思うことがあります。

 

あなたの力は、

もっと健康的に、

もっと持続的に、

もっと活躍の場を得て、

もっと発揮できたかもしれないのに、と。

 

 

 

生活保護課では、

生活保護を受けながらの

就労支援をいたします。

 

 

でも難しいのが、

新型コロナウィルス が拡大している中での、

就労支援です。

 

 

求人が減っています。

もともと働いている人がどんどん職を失っている中、

新たに職に就こうしています。

外出自粛なのに、

ハローワークや面接に行ってください」

とは言えません。

 

 

就労支援もまた、

在宅でできることが中心となるんですね。

 

私としては、

インターネットを中心に求人情報を探していただき、

どこに惹かれたり、

どこが嫌だったりするのか。

そこから、どのような職種でどのような条件であれば働けそうなのか。

 

そのような自己分析をしていただきたいと

思っています。

 

そして、経済が回り出したときに、

いい就労活動ができるための準備をしておけると

いいかなと思います。

 

 

高校進学で、狙うは公立の全日制高校

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高校を選択する時、

もしかしたら、

特別な授業や環境のある

私立高校に行きたくなるかもしれません。

 

それはそれで、

応援したいことです。

 

ただ、

学費に大きく差があることを、

知っておいた方がいいですね。

 

特に、経済力が強いとは言えない家庭だと、

学費の安さは大変魅力です。

 

 

 

学費の目安は、以下の通りです。

 

私立高校

受験料 2〜3万円

入学金 30〜40万円

年間授業料 40〜50万円

3年間の合計 200〜250万円

 

公立高校

受験料 2千円

入学金 6千円

年間授業料 12万円

3年間の合計 36万円

 

 

 

3年間でかけたいお金は、

学費だけでしょうか?

クラブ活動や友人交際などにも、

お金をかけたいですよね。

 

 

どこに、どれだけのお金をかけるかは、

よく考えるべきです。

 

 

特に、借金をしてまで学費をまかなおうとすると、

あとで苦労してしまいます。

卒業後の選択肢を、つぶしてしまうことにもなります。

 

 

生活保護を受けているご家庭の子の進路としては、

まずは基本的に

公立全日制高校

がいいでしょうね。

いわゆる10万円(特別定額給付金)が収入認定されないってどういうこと?(生活保護)

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いわゆる10万円の支給が、本格的になってきました。

 

さらに、生活保護受給者がこの10万円を受け取ったとき、

収入認定はされない方針だということも分かってきました。

 

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総務省 特別定額給付金

 

 

この「収入として認定しない」とは、どういうことでしょうか?

 

 

 

生活保護は足りない分を出す制度

生活保護の制度は、

全ての国民に、最低限度の生活を保障するための制度です。

 

最低限度の生活を送るために必要な費用は、

国が基準を作っています。

 

その基準に足りない分を、

生活保護費として支給しているのです。

 

例えば、

最低生活費が15万円の世帯の場合、

収入が10万円あれば、

生活保護費は5万円です。

 

生活保護ケースワーカーは、

毎月の計算で、

10万円を収入として認定し、

支給する保護費が5万円である、

という作業をしています。

 

 

10万円は上乗せ

では、

いわゆる10万円の特別定額給付金が、

収入認定されないということは、

どういうことでしょうか。

 

毎月の保護費に影響がない、

ということですね。

単純に、いつもの生活費に上乗せで使えます。

 

生活保護費では買えなかったものを、

ぜひ買っていただきたいと思います。

 

 

隠れたコストのカット

ケースワーカーとしても、

全世帯に対して収入認定をするという作業がなくなるので、

とても助かります。

 

消費税が10%になることに合わせて、

年金生活者支援給付金が支給されたときは、

数百円〜数千円の収入認定が発生したので、

多くのケースワーカーが、

それなりに苦労しました。

 

また、

もし3人世帯4人世帯など、

世帯員が複数の場合は、

10万円×人数で、

生活保護が一時的に終了してしまう可能性もありました。

 

生活保護の終了や再開始には、

とても多くの作業が発生するので、

それがなくなるのも朗報です。

 

 

もちろん「仕事なんだから、嫌がらずにやれ」

は当然の声です。

でも、作業には確実に人件費や郵送料などの

コストがかかっていることも事実なので、

税金の削減にもつながるのです。

 

 

 

最低限の生活に潤いを

今の生活保護費では、

本当に最低限度の生活が保障できているか、

疑問なところがあります。

 

食事を抜いたり、

お風呂をがまんしたり、

いろいろと苦労されているのではないでしょうか。

 

特別定額給付金によって、

生活に少しでも潤いがもたらされることを期待します。

生活保護における高校生の応援は給付型と控除型がある

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生活保護を受けている家庭の高校生を応援する仕組みは、

少しずつ充実しつつあります。

 

金銭面ですと、

給付型の応援と

控除型の応援とがあります。

 

給付型は、お金を支給することです。

これは、分かりやすいと思います。

 

一方、控除型は、ちょっと分かりにくいかな。

控除は、「収入として見なす金額を、減額する」ということです。

50,000円の収入があるとしたら、

そこから30,000円の控除をして、

20,000円しか収入として認定しない、ということです。

 

それがどのようにメリットとなるかというと、

生活保護の仕組みを説明する必要があります。

 

生活保護は、

収入で足りない部分を保護費として出す

という原則があります。

 

収入が多ければ、

保護費も少ないのです。

 

収入が少なければ、

保護費が多くなります。

 

 

 

国が定めた最低生活費を、15万円とすると、

5万円の収入があれば、保護費は10万円です。

 

しかし、控除をして2万円の収入とみなせば、

保護費は13万円です。

ね、手元に3万円のお金が余計に残りますよね。

 

この分を、高校生活や進学のために使うことができます。

これが、控除型の応援になります。

 

 

 

ただ、最近の新型コロナウィルスの影響で、

高校生のアルバイトが、どんどん減らされています。

 

すると、そもそもの収入が減ってしまうので、

控除したくても、控除するための収入がなくなってしまうのです。

 

せっかく、勉強と仕事を両方とも頑張って、

自分の未来のために頑張ろうとしているのに、

控除型の応援ができなくなってしまうというのは、

とても残念なことです。

大恐慌時代の生活保護の役割

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新型コロナウィルスの影響により、

ヒト・モノ・カネの流れが大きく落ち込み、滞ってます。

 

そのため、

今までヒト・モノ・カネが流れることで成立していた場所が、

枯渇するようになってきています。

 

 

ヒト・モノ・カネの動的平衡

人々の生活は、

ヒト・モノ・カネが絶え間なく動き回る”動的平衡”の中で、

成り立っているものです。

 

”動”が失われたとき、

”平衡”もまた失われ、

生活が困窮することでしょう。

 

 

これだけ世界規模でヒト・モノ・カネが滞る事態は、

かつてないことです。

 

大困窮時代が、まもなく訪れます。

 

 

 

大困窮時代の生活保護

このような時代に、生活保護制度の役割は何なのか。

真剣に考えるときです。

 

 

大きな変化の一つとして、

「場所さえ得られれば、充分に働く力を持っている方々の増加」

が現れてくると思います。

 

あらかじめ言っておきたいのは、

働く力を持っていないから悪いとか、支援の必要がないとか、

そういうことではありません。

できる範囲での、日常的な、社会的な自立をしていただければいいのです。

 

大困窮時代の特徴の一つとして、

「本来、生活保護を必要としないくらいの働く力を持った方々」

が相談にいらっしゃる数が増えるだろうな、と思うのです。

 

 

そこで私がまずやりたいのは、

ダメージの回復。

そして、自立支援です。

 

 

3つのダメージとその回復

生活保護の相談に至るまでに、

利用者が受けているダメージとは、3種類あります。

 

  1. 身体的ダメージ
  2. 心理的ダメージ
  3. 経済的ダメージ

 

です。

 

 

身体的ダメージとは、

とくに病院に行かず、無理な労働を繰り返して、

体がボロボロになっていることを指します。

そこで、ゆっくり休養をとり、

必要な医療を受けて、

体の回復を図ります。

 

 

心理的ダメージとは、

お金を失っていく恐怖と戦い、

できるはずのことができずに自信を失い、

大切な人ともケンカ別れし、

心がボロボロになっていることを指します。

そこで、あらためて生きてきた軌跡を振り返り、

ないものではなく、あるものに注目し、

できないことではなく、できていることに注目し、

身近な人とつながりを築き、

心の回復を図ります。

 

 

経済的ダメージとは、

やむない事情でお金を借り、

督促に怯えて再び借金をし、

ライフラインさえ止まるほどに、

支払いが滞り、返せない借金を背負い、

プライマリーバランスがボロボロになっていることを指します。

そこで、法テラスなどで借金を整理し、

生活保護を受ける中で家計を整え、

安定した日常生活が送れるくらいには、

プライマリーバランスの回復を図ります。

 

 

 

 

これら3つのダメージを回復しながら、

ふたたび持っている力を発揮し、

ご自分の人生も、世の中も、

豊かにしていただけることを期待します。