自立支援プログラムの対象者を選定するためのExcelシート
生活保護行政においては、
平成17年に「自立支援プログラムの基本方針」が、
厚生労働省より通知されました。
その通知の中で、
どのケースを自立支援プログラムの対象とし、
あるいは対象から外すのかが示唆されています。
この「通知」に使われている文言を利用しながら、
自立支援プログラムの対象者を、
どのように選定するかを考えていきますね。
2つのパターン
とっかかりとして、
①ピックアップ型
②絞り込み型
があります。
ピックアップ型というのは、
被保護者名簿の中から、
「これぞ対象者だ」という人を、
一本釣りしていく方法です。
ただ僕が今回ご紹介したいのは、
絞り込み型のほうなんですね。
エネルギー最小でとりくみたいなら、
ピックアップ型がいいでしょう。
でも、
「自分の持ちケースすべてに、
納得して自立支援プログラムの選定をしたい」
と思われるなら、
これからご紹介する絞り込み型ということになります。
フィルター①稼働年齢層
絞り込み型としては、
スタート地点が「稼働年齢層」というフィルターになります。
単純に、年齢から絞り込むんですね。
生活保護における稼働年齢層とは、
16~64歳です。
義務教育の終わった中学校卒業後〜定年退職の年齢までということです。
フィルター②安定就労者
すでに、安定就労していて、自立支援プログラムを組む必要のない人を、対象から除いていきます。
フィルター② 稼働年齢層ー安定就労者
フィルター③通学者
中学校を卒業して、高校に通っている子は多いですよね。
高校生は、自立支援プログラムから除きます。
ただ、高3や、定時制高校の4年生など、卒業年度には自立支援プログラムの対象としていきます。
フィルター④傷病・障害による就労制限
傷病や障害により、就労に制限のある人もいます。就労を進めるよりは、就労以外に目を向けて、きちんと療養してもらったり、関心のあることで社会参加してもらったりするのが良いかと思います。
フィルター⑤育児・介護・看病
ご自身に問題がなくても、同居する世帯に、育児・介護・看病が必要な人がいる場合があります。
その場合は、就労に力を割く余裕がないかもしれません。
例えば、子どもを保育園に預けたり、訪問看護サービスを使ったりして、就労できる場合は就労してもらいます。
でも、場合によっては自立支援プログラムの対象から除いてもいいでしょう。
フィルター⑥総合的な判断
上記、フィルター①〜⑤を通ってきても、なんらかの事情で就労が難しい人もいます。
「それがなぜなのか」を明らかにした上で、自立支援プログラムの対象から外してもいいでしょう。
上司などと協議し、理由を明らかにしておくことが必須です。
フィルター⑦新規就労対象者
さて、ここからは自立支援プログラムの対象者になってきます。
「今は無職なので、新規就労を狙っていきます」という人は、ここで絞り込んでいきます。
フィルター⑧新規就労を検討する者
「新規就労を狙えそうだけど、あともう一歩判断材料が足りないんだよな・・・」
という人は、ここで保留しておきます。
例えば、病状調査して医師の意見を聞いておきたい。家庭訪問して、本人の意思確認をしたい。など、「あと一歩がなんなのか」を明らかにしておいて、それをクリアした後に、改めて判断します。
フィルター⑨増収支援対象者
すでに就労しているけど、もっと稼げるのではないか?
という人を対象としていきます。
現在の職場で、働く日数や時間を増やしていくこともあります。
あるいは、転職を勧めることもあります。
フィルター⑩増収を検討する者
フィルター⑧と似たようなものです。
増収の支援をしてもいい気がするけど、あと一歩、判断材料に欠ける。という場合は、ここで保留されます。
その「ここの課題がクリアできれば、増収支援したい」という、「あと一歩は、なんなのか」を明らかにしておいて、進捗管理をします。
自立支援プログラムの対象なのかどうかを説明できる
ここまで、10個のフィルターをご紹介してきました。
これらのフィルターを通していくと、どこかに落ち着くはずです。
ピックアップ型だと、
「この人は、なんで自立支援プログラムの対象になってないんだろう?」という人が発生しやすいです。
絞り込み型だと、
すべての担当ケースが、きちんとした理由をもって、自立支援プログラムの対象かそうでないかを説明できます。
これが、気持ちいいんですよね。
Excelシートのダウンロード
最後に、
フィルター10個をあらかじめセッティングしたExcelシートを、
読者のみなさまにプレゼントいたします。
どうぞ活用して、納得できるケースワークにお役立てください。
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